サイドFIREに必要なこととは?
非常に単純化すると、以下の状態が安定的に見込めることだと考えています。
生活費 < 収入
仮に生活費が月に20万円かかる方がFIREするには、金融資産を4%で運用することを想定し、
- 生活費(20万円×12ヶ月)÷運用利回り(4%)=6,000万円
の資産形成を目指すべしという議論は、FIRE系の議論でよく見かけるものです。確かにこれが維持できれば働くことなく金融資産の運用益で生活することが可能で、まさしくFinancialなIndependentを成し遂げることができます。
運用利回り 4%という数字について
しかし、私は4%という運用利回りが二つの点でとても曲者だと考えております。一つは、この4%を税引き後の利率として取り扱う必要があること、もう一つは運用利回りの不確実性です。
一点目ですが、国内だけで運用している想定であれば所得税+復興特別税+住民税で20.315%引かれてしまうため、税引き前では5%程度の利回りが必要となってきます。海外株式の配当金の場合は、上記以上の税率となってくるため、4%の時のポートフォリオ以上にリスクを取る必要があります。
二点目ですが、経済情勢の不確実性もある中で、コンスタントに運用利回り4%以上をキープすることは非常に難しいものであると感じます。過去の統計的にはS&P 500を超長期で持ち続ければ達成可能ではあり、それが統計的に正しいことは頭で理解することは可能です。一方で仮にFIREしてしまった後で、投資がうまくいかずに生活が立ち行かなくなっても、今の職に戻ることは難しいです。FIREした後の投資失敗は、基本的に避けなければなりません。また、何よりも大きな不確実性を抱えてFIREすることは精神衛生上、私にとっては耐えることが難しいです。
そこで私は、FIREをするのであればFIRE後はリスク資産は圧縮する前提で考えたいと思います。例えばリスク資産を半分にする想定とすると、以下の通り1億2,000万円の金融資産が必要ということになり、この考え方ではなかなかFIREは難しそうです。さらに、生活費はこの水準で妥当なのかの検証も必要となります。
- 生活費(20万円×12ヶ月)÷運用利回り(4%)÷リスク資産比率(50%)=1億2,000万円
生活費は想定できるのか?
運用利回りと比べると、生活費はある程度自分自身でコントロール可能と考えている方が多いと思います。例えば住宅費。これは水準を落としまくれば、かなり下げること可能です。
しかし私は子供がいる家庭の生活費コントロールは難しいと感じています。家族の数が増えれば増えるほど、予期せぬことは起こるし、自分の都合だけで決められないことが山のように増えるからです。
例えば、幼稚園に入れる前におおよその費用見積もりは行っていました。しかし、思いがけず早く習い事を始めたり、給食費やバス代が高騰するなどなど。今後も予想外の費用がかかることもあるでしょう。
もちろんもっと精緻に見積っておけば、想定できたものもあると思います。しかし、子育て世帯においては全てに網を張ることは時間的に、技術的に、難しいと思います。また、網を張ることでわかることであればいいですが、例えば家族が病気になってしまったらなど、現在想定しようもない事象が発生したりします。
これらを考慮すると、生活費はある程度予見はできるが、かなり変動する可能性があるもの、と捉えておくのが良いかと考えています。
完全なFIREは自分には難しい
ここまでを振り返ると、
- 生活費を月20万円とすると、金融資産1億2,000万円必要となる
- 生活費を永続的に平均20万円と見積もるのはリスキーでありバッファを持つ必要がある
といった金額感の金融資産が必要となり、完全なFIREは実現困難です。
そんな心配性の私は、
- あくまでも生活費 < 収入 を追求する
- 収入には運用利回りに加えてフリーランス等の事業収入を確保する
というスタンスで、ブログタイトルの通り、完全なFIREではなく、サイドFIREを目指していきたいと思います。子育て世帯のFIREはなかなかハードル高いですが、これからより具体的な目標を立てながら邁進していきたいと思います。
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